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2017-03-17

【高校卒業式】校長式辞


平成28年度 卒業式式辞
校長 原田豊
 
 本日、まさに春本番を思わせるこの日、東京都市大学学長 三木千尋(ちとし)先生、学校法人五島育英会からは村田一志専務理事、並びに国分栄顧問、さらには前都市大等々力中学校高等学校長で 都市大名誉教の海老原大樹先生をはじめ、本校後援会会長甲斐治哉他後援会の皆様、ならびに同窓会、学校評議員の皆様等、多くのご来賓のご臨席を賜り、今ここに、平成28年度東京都市大学等々力高等学校第8回卒業式を挙行できますことは、この上ない喜びでございます。ご臨席くださいましたご来賓各位に心から御礼申し上げます。
 また、本日は多数の卒業生の保護者の方にもご列席いただいております。お子様の人生の大きな節目を迎えられた皆さまには、感激もひとしおであろうと存じます。謹んでお慶び申し上げます。
 
 さて、ただ今、卒業証書を授与された、188名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。教職員を代表して私から卒業に際してお祝いの言葉を送ります。
 
 まず、私は率直に、この3年間の高校生活の随所で見せた皆さんの奮闘ぶりに対して、心から賛辞を贈りたいと思っています。
 藍桐祭では、生徒主体の自主的な運営に大きく舵を切った、画期的な文化祭を実現させました。そのために規約や組織を抜本的に見直して改正し、一つひとつ着実に改善していった、その漸進(ぜんしん)的な改革の姿勢は、学校の歴史にとって画期的であったばかりでなく、後輩へのよき手本となったことでしょう。
 体育祭での堂々たる応援合戦は、若者らしいすがすがしさと共学の睦まじさが感じられて、いい共学校のなったなと実感させてもらいました。男子集団行動の演技や女子のダンスも印象的でした。特に集団行動の美しさは、本校の体育祭における「革命」といっても過言ではないと思っています。
 語学研修旅行(修学旅行)の日本文化の英語プレゼンは実にユニークかつスマートでしたし、近年では部活動でも努力の成果が、着実に成績となって表れてきているのもうれしい限りです。2年次に行われた合唱コンクールでも、若い大人の力強さとやさしさの調和した歌声に、心を揺さぶられたことを今でも覚えています。
 これらはみな、皆さんが目の前の行事に対して、常に真摯に向き合い、決して手を抜かない姿勢の結果でしょう。まじめさ、ひたむきさ、わが五島慶太先生の言葉で言えば「熱誠」ですね、これこそが人を感動させ、人に影響を与えうるものだ、ということを今後も忘れずにいてほしいと願っています。
 
 二つ目は、これからさらに大学で、考える人として学問の習得に努め、社会の中核を担う皆さんにだからこそ、お話したいことです。
 それは、私たちはもっと「中庸の徳」ということを考えるべきだということです。「中庸」とは二つを足して二で割った答え、というような単純な言葉ではありません。「中庸」を説いた有名な孔子の「論語・雍也」の中でも、また仏教哲学の解釈においても、それは世の中の風潮や固定的な考えに捕らわれない自由な境地を指していう言葉です。私はこの「捕らわれない自由なものの考え」を大事にしてほしいと思うのです。
 昨今の国内外の言論空間を見ていると、相手に勝手なレッテルを張り、一方的な主張が全体を支配してしまうことが多いように思うのです。するとしばらくすると逆にその反動が生じ、双方で全く非生産的な議論が展開してしまう。私はこうした状況を憂慮するのです。
 たとえば、ほんの少し前まで多くの日本人、否世界中の人々がグローバル化というのは自明の道理であると考えて、そのために必要な諸条件を凄まじいスピードで整えてきました。多くの伝統的な規制を撤廃して自由化を推進してきたのです。流れに掉さすものは選挙で落選するといった風潮までありました。しかし、最近はその反動で、特にヨーロッパやアメリカでは伝統に回帰しようという勢力がこれまた凄まじい勢いで勢力を拡大しているようであります。でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。極端なグローバル化に伴う、行き過ぎた自由の思想が、人と人との連帯や共通理解を妨げ、様々な軋轢を生んでしまったり、その反動としての平等の観念が、社会生活上生じる宿命的なわずかな差異にも過敏になり、結果として社会混乱の因子となる、などということは初めから予想されることではないかと思うのです。
 ですから、私たちは常に、無批判的に語られている一方的な議論に疑念を抱き、多面的な視点で考察する冷静さを持たなければいけないと思うのです。その冷静さこそ、初めにお話しした「中庸」というものです。極端に走るものは必ず何ものかに捕らわれているものです。捕らわれのない「中庸の心」で冷静に現象の本質を見抜く人になってほしいと思っています。
 
 さて、最後、三つ目です。それはもう入学以来、様々な機会でお話ししてきた、五島慶太先生の遺訓ともいえる、ノブレス・オブリージュの精神を胸に、活躍してほしい、それでなければこの都市大等々力を卒業した意味はないのだと、いうことです。皆さんがどんな大学に進みどんな職業に就こうとも、ノブレス・オブリージュの精神を持ち合わせていないものは、決して活躍できない、ましてや、リーダーなどには到底なれない、このことを肝に銘じてください。
 そして、ノブレス・オブリージュの精神の一丁目一番地は「返事・挨拶・後始末」です。その第一歩目は与えられた才能と時間を使い切ること、そう「TQ」の精神です。そして、次の一歩が、感謝の気持ちを持つこと、それに、五島慶太先生の信条でもあった「熱誠」さえ加われば、おのずから感謝に報いようと実践できるでしょう。
 人を欺き自分をごまかし、要領よく立ち回って成功するような人生を可としていられるものは、本校の卒業生ではありません。「自分だけいい、は絶対ダメ」です。人の幸せのため努力し行動できる人になってこそ、都市大等々力高校の卒業生です。どこまでもノブレス・オブリ―ジュの精神を胸に、今後の人生を生き抜いてください。そこにこそプライドをもって多くの経験を重ねっていってください。
 
 熱誠と中庸とノブレス・オブリ―ジュ、この3つを備えていれば、将来、必ず活躍の場が訪れることになるでしょう。
 ノブレス・オブリージュの人とグローバルリーダー足らん、卒業生皆さん、本日は、卒業本当におめでとう。