2023年度東京都市大学等々力中学校・高等学校
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学べたと思っています。僕はバスケ部に入っていて、部活がある日も練習が終わると東工大をめざす生徒たちと自習室で勉強をしていました。東大をめざしている生徒の中で理系は僕だけだったので、東工大志望の生徒たちと問題を解き合っていたのです。この仲間たちの存在が大きな力になりました。 また、先生方にも感謝しています。放課後講座が無料で開催されていて、特に数学や物理の勉強に役立ちました。また、先生方がこまめに声かけや面接をしてくださり、余裕をもって受験に臨めました。大内 高1の時、僕はカフェで勉強する姿に“かっこよさ”を見出すようになり、カフェに通うようになりました。ところが、コロナ禍で多くの店が早くから閉店するようになったのです。家で勉強しなければならず、その習慣を確立させるのに時間がかかりました。 モチベーションの維持にも苦労しました。そんな僕を、高2と高3の時に担任してくださった南先生が常に叱咤激励するなど、メンタル面をサポートしてくださいました。網田 英語はもともと得意でしたが、学芸大学の二次試験には、和文英訳、英文和訳、ディクテーションなど多岐にわたって問題が出されます。そこで気を抜かないように勉強しました。 塾や予備校に行っていませんでしたが、先生方が常に出題傾向などの受験情報を教えてくださったので、安心して受験に臨めました。そして、二次試験も共通テストも合格点を満たすことができました。 多くの友達にも支えられましたね。志望校は違ってもアドバイスし合ったり、情報を交換したりしながら、合格という目標に向けて切磋琢磨できました。南 みなさんの学年は「限りなく上をめざそう」という言葉をスローガンに学校生活を送ってもらっていました。中でもトップ層だったのが辻くんです。とはいえ入学当初の彼は、英語に比べて他の科目の東京大学理科一類 1年辻さん一橋大学法学部 1年大内さん成績が卓越していたわけではありません。ストイックに学び続けた結果、周囲の生徒に刺激を与えながら、どの科目の成績も次第に伸ばしていったのです。お父さんが愛読する経済書を読むなど、知的好奇心もますます旺盛になっていきました。 大内くんは勉強のスタイルや志望校の選び方に独自の美意識を持っていました。そして「大学受験のためではなくて、学ぶのが楽しいから勉強する」という姿勢を崩しませんでした。私は、その潔い姿に凛々しさを感じたものです。そして美意識について、大内くんとよく意見を交わし合いました。 網田さんは、中学受験の時に私が面接を担当した生徒です。当時から、明るく元気でコミュニケーション力にあふれていました。英語を小学生に教えたいという気高い志が、網田さんを成長させたのだと思います。上原 辻くんは成績が優秀で、この学年のシンボル的な存在でした。自分の考えをきちんと言葉にでき、自分の課題を的確に把握できる生徒です。化学の授業では、辻くんが私の板書を読んで真剣にメモを取っている姿を見るたびに「辻くんも知らない有意義なことを生徒に教えられてよかった」と満足したものです。辻くんがメモを取るか、取らないか。それが私の授業の指標になっていたといっても過言ではありません。 大内くんと網田さんは中1の時に私が担任を務めました。大内くんはオールラウンダーで、苦手科目がなく、勉強する習慣が中1の時から身についていました。東京学芸大学教育学部初等学校教員養成課程英語専修 1年網田さん 網田さんは入学してすぐにたくさんの友達ができ、学校生活を心から楽しんでいる様子が見てとれました。廊下を友達と手をつないで笑いながら歩いていた姿を思い出します。 2人とも高校生になると文系のクラスで学ぶようになったため、私が直接教えることはなくなりました。しかし、大内くんが軽音楽部の部員として多目的ホールで演奏したり、網田さんが吹奏楽部の部員として式典でフルートを吹いたりする姿を見て私は感動しました。勉強だけでなく部活動にも真摯に取り組んで、等々力生らしく健やかに成長したことをうれしく思ったからです。この2人が入学したばかりの頃に担任を持てたことに誇りを感じています。南 最後に本校の教育の理想像である「ノブレス・オブリージュ」の精神から学んだことを教えてください。辻 仲間と心をひとつにして何かを成し遂げることの大切さです。これは将来、チームで研究や開発を行う際に必ず役立つと思います。みんなを勉強に巻き込みたいという気持ちを僕が持てたこともそのひとつです。たとえば、僕はコロナによる休校中、友人たちにLINEで10時間勉強しようと呼びかけて実行しました。こうした姿勢はクラスの全員が持っていて、合唱コンクールやスポーツ大会では「みんなで力を合わせて勝とう」と声をかけ合っていました。大内 僕たちは私立の中高一貫校に通わせてもらい、多くの友人や先生方に支えられ、志望校に合格できました。こうした恵まれた環境のもとで目標を達成できたのです。大学ではこれまで以上に勉強して、国際社会に貢献していきたいと思っています。それが僕たちの果たすべき役割だと思うからです。網田 何事にも手を抜かず、全力で取り組むことの尊さです。この姿勢をこれからも持ち続けて、将来を担う子どもたちを教えていきたいと思っています。卒業生一同 6年間、ありがとうございました。進路担当副部長社会(日本史)担当南教諭理科(化学)担当上原教諭19担任を持てたことに私は誇りを感じています国際社会に貢献することが僕たちの果たすべき役割

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