2024年度パンフレット_東京都市大学等々力中学校・高等学校
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19目標を設定し、それができたかを常に振り返る習慣が定着たいと考えています。一橋大学は学部間の垣根が低く、私は社会学部ですが、他学部の講義も受けられ、幅広い知識を身に付けられます。食品の仕事をするのに、こうした学びが役立つと思って志望しました。岩城 私はSさんが高2と高3の時に担任を務めました。Sさんは成績優秀でしたが、それを決して鼻にかけたりせず、穏やかな性格で、周囲を明るく照らし、みんなから愛されている存在でした。S 岩城先生から「君の成績なら東大に受かるはずだ」というアドバイスを受けたのですが、私が「ずっと前から一橋大学で学びたかったんです」と答えると、私の意志を尊重してくださいました。入試が続いている時期は、クラスのみんなにオンラインで「明日から私大の入試が始まるね」というようにさりげなく声をかけたり、小さな娘さんの写真を見せたりして、私たち受験生の緊張を和らげてくださいました。岩城 そういってもらえると教員という仕事に就いてよかったと思えます。中学で地理を教えたSさん、中学や高校で地理を教えたMさん、そして高校で地理を教えたKくんに対してもSさんに対するのと同じ思いでその成長を見守っていました。 私は男子バスケットボール部の顧問を務めていたので、女子バスケットボール部に所属していたMさんに関しては部活動での健闘も目にしていました。ミスを繰り返しても歯を食いしばって練習に励んでいました。そのひたむきな努力が、大学受験でも大いに活かされたのだと思っています。M 私は小学校まで地理の授業を面白いと感じたことがなく、中1の時に岩城先生から教えていただいて、初めて地理の魅力を知ることができました。K 僕も同じです。地理は暗記科目だと誤解していて好きではなかったのですが、岩城先生の授業を受けて、理論立てて覚えていく科目だと気付かされ、感動したことを今も覚えています。岩城 Kくんは地理も一生懸命に勉強してくれましたね。お茶の水女子大学生活科学部 1年Mさん慶應義塾大学理工学部 1年Kさん他の科目の成績も優秀で、みんなから一目置かれる存在でした。K ありがとうございます。先生から学んだ論理的思考力を活かし、慶應の理工学部ではプログラミングを始めとする情報系の学問を究めたいと考えています。鈴木 この学校は勉強や部活動とともに行事も大切にしています。行事を通して人間性が磨かれるからです。みなさんが思い出に残っている行事を教えてください。S 中3の時の合唱コンクールです。私はピアノの伴奏を担当するだけでなく、この行事の実行委員を務めていました。練習中はクラスメートたちの意見がぶつかりあうことも多かったのですが、終わった後はみんなで達成感を分かち合うことができ、クラスの結束も強まりました。この経験から大勢の仲間とひとつのことをやり遂げる感動を知ったので、私は大学でも小平祭という学園祭の実行委員を務めています。M 私たちが高1の1月にコロナ禍が始まったので、楽しみにしていたオックスフォード語学研修旅行に行くことはできませんでした。その代わりに高2の秋に関西修学旅行が実施されました。藍桐祭や体育祭も中止になってしまったぶん、この旅行は実りの多い行事になりました。京都では京都大学で学ぶ留学生の方々と観光地を巡りながら英語で交流しました。私は英語が大好きだったのですが、ネイティブの先生以外の外国の方と会話する機会がなかったので、この修学旅行は絶好のチャンスでした。しかも、交流したのはアフリカのコンゴから来ている留学生の方でした。お互いに母国語でない言語である英語を使って話したので、意志の疎通を図ることができました。また、アフリカの習慣や文化についても知ることができ、一橋大学社会学部 1年Sさん貴重な体験となりました。K 僕はロードハイクが思い出に残っています。多摩川に沿って何十キロも歩く、都市大等々力の伝統行事です。歩いても歩いても多摩川の河川敷の同じ風景が延々と続きます。中1の時に歩行距離を聞いた時は衝撃を受けましたが、ゴールに到着した時は達成感で胸がいっぱいになりました。岩城 最後に都市大等々力で学んだことで、今の大学生活に活かされていることを教えてください。S この学校に入学すると、担任の先生からTQノートを書いて毎日提出するように言われます。最初は書くのが面倒に感じるのですが、慣れてくると生活に必要不可欠なツールであることがわかります。 大学生になった今、こうしてノートをつけ、自己管理や時間管理をすることの重要性に改めて気付かされました。大学では講義の時間割を自分で組まなければなりません。課題もたくさんあり、提出しなければ留年してしまいます。今、自分の手帳に予定を記していますが、TQノートが手に入るのであれば、もう一度使いたいほどです。M 友達の大切さを知ったことです。6年間を切磋琢磨しながら過ごした仲間は一生の宝物です。そして、みんながいたから、今の私があるのだと思っています。K 僕は中3の時にスポーツ大会の実行委員を、高2の時には文化祭実行委員を務めました。この経験から少しはみんなをまとめ上げるリーダーシップが身についたのではないかと自負しています。 また、原田豊校長先生は、自分の思考や行動を客観視する力であるメタ認知能力の重要性を常に語っていました。校長先生の言葉から、僕はこの力を意識するようになり、自分で目標を設定し、それができたかを常に振り返る習慣が身につきました。鈴木 みなさん、こうして学んだこと、得たことを糧にして、グローバル社会に貢献してください。卒業生一同 6年間、ありがとうございました。数学担当鈴木 健教諭社会(地理)担当岩城 裕亮教諭6年間を切磋琢磨しながら過ごした仲間は一生の宝物

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