東京都市大学 等々力中学校・高等学校

【行事】校長式辞【中学入学式】

行事
2021.04.07

令和3年度 入学式式辞 

本日は春の優しい日差しに包まれた好天に恵まれました。昨年から続くコロナの影響を未だ受け続けている現実があるとはいえ、素晴らしい好天に恵まれ、ご来賓、ならびに保護者の皆様に見守られながら、令和3年度入学式を挙行できますことは何よりも喜ばしい限りでございます。保護者の皆様には、心からお子様のご入学をお喜び申し上げます。誠におめでとうございます。 

さて、202名の東京都市大学等々力中学校・入学生のみなさん、入学おめでとうございます。皆さんは、中学入試に向けた努力に加え、新型コロナへの感染の恐怖とも戦いながら、見事今こうして本校への入学を果たされました。今日まで続けてこられたこの努力と結果を、皆さんは大いに自信にしてよいと思います。そして、今日からその努力の結果でつかんだ都市大等々力での学校生活が始まるのです。自分でつかんだ貴重な本校での学校生活なのですから、まず何よりも自分の手で明るく楽しい充実した生活にしなくてはいけません。そのためには、何事にも積極的な姿勢、チャレンジ精神をもって生活することが大切です。 

皆さんが入学されたこの都市大等々力中学校には、独創的な学習支援システムや、体験を重視した理科教育や英語・国際教育プログラム、またICT教育やアクティブラーニングなど、多くの学びの場が提供される学校です。そして、その成果は一つひとつ確実に様々な分野で形となって現れ始めています。ぜひ皆さんには多くの学びの場に対して、積極的にチャレンジ精神をもって取り組んでください。 

また、都市大等々力中学校は、いろいろな斬新な教育に取り組む学校であると同時に、どんなに時代が変わろうとも、不動の一点の常に見つめていく学校であり、その不動の一点とはノブレス・オブリージュの教育ということです。ノブレス・オブリージュの教育――高潔な若人が果たすべき責任と義務――とは何かを常に考えて、これはノブレス・オブリージュの精神にもとるとしたら断固として忌諱し、ノブレス・オブリージュの精神だと考えたなら、苦しくても実行する、そんな行動のとれる中学生を育成したいと考えている学校ということです。 

皆さんは2月のリモートによる合格者説明会で、私から二つの宿題を出しておきましたが、ちゃんと実行できていますか? 

まず、「返事・挨拶・後始末」 これは、ノブレス・オブリージュの原点、一丁目一番地、何があってもどんな時でも「笑顔で挨拶」することはそれだけで立派なボランティア活動です。人の心を明るくし、人はそれだけで救われるのです。誰に対しても徹底的に「笑顔で挨拶」しましょう。勉強ができても運動能力に秀でていても、明るく「笑顔で挨拶」できない人は社会的に活躍することはできないのです。 

それから、皆さん、お家のお手伝いはきちんと決めてきちんと実行できていますか? ノブレス・オブリージュとは「社会貢献」と訳されますが、社会貢献より先にまずはお家のお手伝いです。世界中で一番恩を受けている人が身近にいて、その身近な人のためにちょっとしたお手伝いもできない人が、社会のため世界のため人類のため、などというのは本末が転倒している話です。身近な人の恩を感じて感謝する心とその感謝に報いる行為の初めの一歩が「お手伝い」です。 

「返事・挨拶・後始末」と「お手伝い」、ノブレス・オブリージュの一丁目一番地と二番地とでもいいましょうか、この二つの大事さを今一度ここで確認した上で、今日はもう一つ付け加えます。 

本校の創立者は五島慶太という人物です。五島慶太先生は一代で東急グループを築きあげた大実業家です。しかし、その人生は実に多くの困難や苦労の連続でした。 

小学生だった五島先生は片道12キロの道のりを毎日歩いて学校に通い続けました。愛する妻や子供を相次いで亡くしたこともありました。事業面でも、ある区間の開通のテープカットの日に、関東大震災に見舞われ一夜にしてどん底に突き落とされたこともありました。経営不振で従業員の給料が払えず自殺を考えたことさえありました。 

しかし、五島先生は、こうした苦難に遭遇した時にも、「なあにこれくらいのこと」と歯を食いしばって堪えてきたのです。先生は晩年その思いを「なあにの精神」とか「熱誠」と呼んでいらっしゃいます。「なあにの精神」の五島先生が創った学校がこの都市大等々力です。ですから、そこに通う皆さんにも、多少の困難を前にしてもたじろがない強い心、「なあにの精神」、「熱誠」をもって、勉強や部活動はもちろん、力強く生活してほしいと思います。 

しかし、それでもちょっとくじけそうになった時には、どうぞ遠慮なく担任の先生はじめ私たち教員に相談してください。ここに勤める私たち教職員は、みんな前向きに頑張ろうとする生徒のために、惜しまない支援をしていまます。そのことを最後にお約束して入学式の式辞といたします。 

本日は皆さんご入学本当におめでとうございます。頑張りましょう。ノブレス・オブリージュ。 

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