東京都市大学 等々力中学校・高等学校

【行事】校長式辞【中学入学式】

行事
2022.04.07

令和4年度 中学入学式式辞

東京都市大学等々力中学校、新入生のみなさん、入学おめでとうございます。

皆さんは、中学入試に向けて多くの努力を重ねてきました。遊びたい気持ちを我慢して受験勉強に打ち込まなければならないこともあったでしょうし、時にはなかなか成績が上がらずに悩んだこともあったと思います。そういう数々の苦しさや悩みを乗り越え、今こうして本校への入学を果たされたわけであります。努力の結果でつかんだ都市大等々力での学校生活なのですから、明るく楽しい充実した本校での中学校生活にしましょう。

皆さんが入学されたこの都市大等々力中学校は、学習指導に力を入れた学校ではありますが、個人の学習状況に応じた丁寧な学習支援システムや、ICTを活用し体験を重視した教科指導など多様な学びの場を提供している学校です。部活動をはじめ、学校行事など校外での学習の機会も少なくありません。皆さんに求める気持ちあれば、きっと明るく楽しい学校生活を送ることができると思います。

皆さんの先輩たちも、学習や部活動はもちろん、文化祭やスポーツ代会など、次々と訪れる目の前の行事や課外の取り組みの一つひとつに対して、決して手を抜かないで真剣に向き合っていて、そしてそれを楽しんでいます。私はこうした本校の生徒の姿は本校のよき伝統であるとさえ、私は感じています。

しかもその上、こうした先輩たちの6年間の生活の歩みが、大学進学実績にきちんと結びついていることも付言しておきたいところです。本日発売された週刊誌では、この10年で大幅に難関大学合格実績を伸ばした学校として東日本で何と4位に挙げられています。

何事にも積極的に取り組み大いに学校生活を楽しみながらも、きちんと難関大に合格できる学校の様々なシステムを信頼して、先輩の作った我が校のよき伝統を守り継いでください。

さて、皆さんは2月の合格者説明会で、私から二つの宿題を出しておきましたが、覚えていますか?

一つは、「返事・挨拶・後始末」 これは、ノブレス・オブリージュの原点、一丁目一番地、どんな時でも「笑顔で挨拶」する習慣を身に付けておいてほしいとお話ししました。

二つ目は、皆さんのご両親に感謝し、それをお手伝いという形で表そうと言いました。お手伝い、していますか? ノブレス・オブリージュとは「社会貢献」と訳されますが、一番身近で最も恩を感じなければならない人のために具体的に行動できない人が、社会のため人類のため、などというのは本末が転倒した話です。「お手伝い」、ちゃんと実行していますね。

「挨拶」と「お手伝い」、本校の大切にしているノブレス・オブリージュの基本の二つですが、今日はもう一つ「なあにの精神」ということをお話しします。

本校の創立者は、ご存じだと思いますが、東急グループを築きあげた日本を代表する大実業家・五島慶太先生ですが、先生は通われていた東京教育大学(現在の筑波大学)で、嘉納治五郎という日本柔道の創始者である有名な先生の授業を受講し、大変感銘を受け、晩年にこんなふうにおっしゃっています。

嘉納治五郎先生は、「何でも、なあに、という精神を養え、どんなことに出会っても、なあにくそ、と耐え忍ぶ精神、いかなる困難にぶつかってもくじけることなく、敵を呑むの気概を君たちぐらいの時に養っておかなければ、将来の大成は望みがたい。」という講義を実に一年間も聞いた。(中略) 

この訓えは二十歳の私の若い血潮をたぎらせるに十分であったし、また身に染みて応えるものであった。私の当時の苦悶や焦慮は、嘉納先生の「なあに」によって、開眼脱皮されたものと言える。それ以後の私の五十年間の人生を支配したもの、実にこの「なあに」であり、七十五歳の今日まではっきり頭に残っているのは嘉納先生の「なあに」だけだ。

大きなことを成し遂げた五島先生は、その栄光の裏には実に大きな挫折と困難がありました。巨額費用と労苦の末にやっと開通にこぎつけた、鉄道事業の開通式の、まさにその当日、あの関東大震災に被災し一瞬にして壊滅的な被害に遭い、一夜にしてどん底に突き落とされたこともありました。経営不振で従業員の給料が払えず自殺を考えたことさえあったと語られています。プライベートにおいても愛する妻や子供に先立たれる不幸にも見舞われました。しかし、そういう苦難の極限においても、五島先生は、「なあに」と歯を食いしばって堪えて来られたのでした。

この「なあにの精神」、先生はこれを「熱誠」とも呼んでいますが、

「なあにの精神」「熱誠」をもって、努力を続けてこられた五島先生が創った学校、それがこの都市大等々力です。ですから、この学校に集う誰しもが、創立者の熱く強い精神を手本として持ちながら、勉強に部活動に行事に様々なことに挑戦してほしいと思います。

 「返事・挨拶・後始末」と感謝する心、そして「なあにの精神」で、皆さん一人ひとりの努力で勝ち取った都市大等々力中学校での生活を、先輩たち同様、楽しんで充実したものにしていきましょう。私たち教職員も、前向きに頑張ろうとする生徒のために、惜しまない支援をしてまいります。そのことを最後にお約束して入学式の式辞といたします。

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